11月 21st, 2011
中国で「一人っ子政策」が始まって30年になる。今年の春の全国人民代表大会などでは「第二子を認めるべき」という意見が相次いだ。今回は先送りされたが、今後この問題へますます高まりそうだ。
一人っ子政策見直しの兆候は、いくつか挙げられる。まず、かつて一人っ子政策の見直しを提唱した著作が発禁処分になった作家が、ここ数年は中国メディアにしばしば登場するようになっている。また、家出掲示板の見直しに強く反対していた学者のなかに、「見直しもやむなし」と前言を翻す人が出ている。さらに、これまでは国務委員が指揮を執っていた国勢調査で、今年は李克強副首相が自らトップに就いた。そこに、出会いの人口政策に対する注目度の高さが見て取れるのだ。
見直し賛成派が理由に挙げるものに、人口の高齢化がある。政府の予想では、2030年には中国の60歳以上の人口は3億5500万人に達する。そうなると、若い世代で高齢者を支える構造を持つ老齢年金の運営に支障が出る可能性があるほか、高齢人口の増加で、国内の消費能力が低下することが懸念されるという。
じつは85年以降、山西省南部の翼城県ではひそかに「出会い系を認める」実験が行われ、二人目の出産を認めても、人口の急増は起こらないことが証明されている。82~00年の国勢調査では、人口増加率の全国平均は25.5%だったが、翼城県ではむしろそれを下回り、20.7%に止まったのだ。同県では、一人っ子政策下で問題になる新生児の男女比の不均衡も見られなかった。
人々の意識は、日々変化している。都市部では子どもを作りたがらない夫婦が増加。特に、出生率が0.7~0.8と低い上海市では急速に高齢化が進んでおり、一人っ子政策の見直しは待ったなしの状況にある。